アベノミクスの量的な金融緩和とは?その効果と問題点とは?

アベノミクスで景気が上向いていると言われています。

現在は新卒採用が盛んだと報道されていますし、

オリンピック需要もこの好景気に影響していると思いますが、

アベノミクスの量的な金融緩和には効果があったと思います。

ただそこには落とし穴もあると思います。

アベノミクスの量的な金融緩和の問題点とは何なのでしょうか?

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アベノミクスの量的な金融緩和とは?


(出典「photoAC」)

アベノミクスでは量的な金融緩和が行われています。

国が発行した借金である国債を、日銀が年間80兆円というペースで購入を続けることで、

お金の流通量を増やす政策になります。

国が国債を発行する、つまり借金をする場合には以下の図のようになり、

国は借金した分を使いますので、市場のお金の量は変わりません。

また日銀はお金を発行できる日本で唯一の中央銀行で、

日銀が国債を買うことで以下の図のようになり、市場のお金の量が増えることになります。

量的な金融緩和というものは、簡単に言えばお金を印刷する政策になります。

日銀は量的な金融緩和をする理由として、2%の物価上昇を掲げています。

アベノミクスの量的な金融緩和の効果とは?

為替相場への影響


(出典「photoAC」)

量的な金融緩和では、まず円安になることが挙げられます。

国債は「債券市場」で取引されますが、株のように国債を買う人が多くなれば国債の値段は上がり、

国債を買う人が少なくなれば国債の値段は下がります。

また国債の値段が上がれば、長期金利が下がることになります。

そして為替相場の動きは、それぞれの国の金利に影響を受けます。(詳しくは以下のページをご覧ください。)

現在はアベノミクスで量的な金融緩和が行われていて、 日銀が年間約80兆円という金額の国債を購入しています。 このことで長期金利が...

日本の長期金利が下がり、例えばアメリカの金利の方が高くなれば、

投資家はアメリカのドルで運用した方が得することになりますので、

円を売りドルを買う動きを強めることになります。

そのため量的な金融緩和をすると日本国内の金利の低下し、円が売られるようになることで円安になります。

またモノの値段の決まり方として、需要(必要とされる量)と供給(出回る量)の関係があります。

例えば金やダイヤモンドは、供給量が少なく需要が多いために値段が高くなりますし、

簡単に手に入るものは値段が安くなりますが、

お金をモノとして考えると、日本の円が多くなれば

海外の通貨に比べると円の価値が下がることで円安になります。

円安になると日本国内で製造したモノを売りやすくなりますし、海外からの観光客も日本に訪れやすくなります。

(円高・円安とその影響については以下のページをご覧ください。)

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ですので量的な金融緩和を行うと円安になり、企業は業績を上げやすくなるというメリットがあります。

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株式市場への影響


(出典「photoAC」)

円安になれば企業が業績を上げやすくなりますので、それだけ企業の株価は上がりやすくます。

ですので円安→株高、逆に円高→株安というのが一般的な流れになります。

また量的な金融緩和はお金を印刷する政策になり金利を下げる政策ですので、

銀行なども国債を買って利益を上げにくくなりますし、

そのことで銀行にお金を民間に貸し出させるという狙いもあります。

「お金は天下の回りもの」と言いますが、景気の良し悪しはお金の流れの良し悪しという面がありますので、

銀行が国債を買うよりは民間企業や個人などに貸し出して、

世間にお金が流れるようにすることで、景気を後押しする側面があります。

そうして市場に出回りやすくなったお金の一部が、株式市場に流れ込む側面もあると言われています。

ただ株価については政府が年金の運用先の割合を変えて、

これまでより株式市場に年金が投入されるようになりましたので、

そのことで株価が上昇したという面もありますし、

国が作り出した株式相場という意味で、「官製相場」とも言われます。

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