グローバル化が進められてきた中で、保護主義の動きが出てきています。
グローバル化とは、そもそも何なのでしょうか。
グローバル化の問題点とは何なのでしょうか。
ここではグローバル化を取り上げたいと思いますが、
グローバル化に潜む問題点や、グローバル化と同時に必要な対策を考えてみたいと思います。
目次(複数ページに分かれた記事もあります)
そもそもグローバル化って何?
(出典「photoAC」)
グローバル化というものは、主に経済的な分野で進んでいる「国境のボーダレス化の波」のことで、
経済の要素は、人、モノ、カネ、情報の4つがあると言われますが、
これらの要素が世界的に移動がしやすくなる方向がグローバル化と言えます。
特に先進国の大企業は、グローバルな範囲に活動の幅を広げていますが、
企業の場合には「他の国に生産拠点や活動拠点を移動させること」が、企業のグローバル化と考えられます。
また文化面ではそれぞれの地域ごとに違いがあり、人々の生活に根付いたものですので、
文化面で世界的に、同じ文化を共有するという意味での「グローバル化」は難しいと考えられます。
また宗教についても同じように、誰が何を信仰するかは自由ですし、
こうした宗教も同じ宗教を世界的に共有するという意味では、
「グローバル化」にはなじまないと考えられます。
また政治の世界でも「グローバル化」が進むとは考えにくい分野になります。
(EUは一つの試みと言えるかもしれませんが。)
そういう意味ではグローバル化は、経済の分野で行われることが主なものになると考えられます。
ただ企業が「グローバル化を進める」、
つまり生産拠点や活動拠点を、自分の国だけでなく他の国にも移す場合には、
その地域の人たちを雇用したり、その地域の人たちに物を売るわけですので、
言葉の問題だけでなく、お互いの文化面や宗教面を知り認め合うことが必要だと考えられます。
例えばイスラム教には豚を食べないという教えがありますし、
地域によっては味覚などにも微妙に違いがあると考えられますが、
そうしたことを無視して、商品を作っていたとしても売れるとは考えられませんし、
その地域の人たちを雇用するにあたっても、その地域の文化や宗教を尊重しなければ、
その地域の人たちをまとめることは難しいと考えられますので、
グローバル化を進めるにあたっては、
他の地域の文化や宗教を少なくとも知ることが必要になると考えられますし、
そのために私たちは便利なツールとしてインターネットを活用すべきだと思います。
グローバル化とは 格差が広がる理由
(出典「photoAC」)
またグローバル化の一つに「企業が世界的に生産拠点や活動拠点を移す動き」が挙げられますが、
こうした動きを企業がすることによって、世界の先進国と開発途上国との格差は縮まる傾向があるとしても、
それぞれの国の中では格差は広がりやすくなると考えられます。
まず先進国では経済が発展しているだけに、人件費が高くなっています。
一方開発途上国では、経済がまだ発展していないだけに人件費が安く、
安い製品を作ろうと企業が考えれば企業は生産拠点を海外に移すことになります。
そうすると製造業は、その国の中で空洞化することが考えられます。
このようにグローバル化が進むと、先進国に住む人たちから考えると、
世界の安い労働力を供給する人たちとの競争を余儀なくされますので、
失業率が高くなったり給料が安いままだったり、派遣社員が生まれるという状況になってしまうと考えられます。
一方、世界的に活躍する企業は、国内で活動するだけに比べるとそれだけ利益を確保しやすくなっていますので、
経営者はその高い利益に見合った報酬を確保するようになり、給料が高い人と低い人との差が大きくなることが考えられます。
また開発途上国でも格差は大きくなることが考えられます。
例えば生活必需品について昔ながらの製法があり、
それで生活をしている国や地域に急に先進国の商品が流入すれば、それで生活が便利になる人もいると思われますが、
それまでの仕事を奪われた人たちもいたと考えられますし、
また高いレベルの教育を受けていない人たちは、新しい経済の波が押し寄せても、対応することが困難な人たちはいたのかもしれません。
そういう意味では開発途上国でも、教育の格差から来る収入の格差は出ていたと考えられます。
以上を考えると、グローバル化により先進国と開発途上国の経済的な格差が縮まるとしても、
それぞれの国の中では格差が拡大すると考えられます。