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グローバル化と共に考えなければならない対策
教育の格差を是正すること
(出典「photoAC」)
また開発途上国では、教育の格差が大きいことが考えられますが、
先進国でも貧富の差が言われるようになっています。
こうした状況が続けば、良い職業につけるのは充分にお金のある人たちだけになり、
格差を助長する面があると考えられます。
お金には「貯められる」「相続できる」という特徴がありますので、
資本主義にはどうしても格差が拡大する傾向があると考えられます。
格差の大きな問題点としては、
生まれた時点で人生のスタートラインが変わってしまうことがあると考えられます。
また学問にしてもスポーツにしても、参加する人が多くなれば、
それだけレベルの高い人材が生み出されると考えられます。
個人的には、それはピラミッドの形のようなイメージを持っているのですが、
そもそもピラミッドに積む石が少なければ、ピラミッドは低いままだと考えられますし、
少ない石を高く積んだとしてもバランスが悪い状態になって、いずれ崩れてしまうでしょう。
このピラミッドを高くしようと思えば、
積む石を増やすしか方法はないと考えられます。
積む石が多くなれば、その頂きは高くなる。
それならば学問やスポーツなど、幅広い分野に参加する人が多くなれば、
参加する人が多くなった分だけ、その頂きは高くなる、
つまりレベルが上がることが考えられます。
そういう意味では、教育の格差を是正して、
優れた人材が世の中に埋もれることがないようにしていくことで、
より良いものが、私たちの人間社会に生み出される可能性はあると考えられますし、
それが経済を発展させる動力になり得るかもしれません。
そのためにこそ、教育の格差の是正は世界的にも求められると考えられます。
そのためには教育に要する基金などを創設して、金融により資金を運用することで、
奨学金などに活用できる仕組みが求められるのかもしれません。
先進国では新たな産業を生み出し成長させること
企業のグローバル化としては、
生産拠点や活動拠点を世界の他の国に移転する動きだと考えられますが、
そうした波とは無関係な業種もあると考えられます。
グローバル化の波に関係があるのは、主に製品を作る企業になると考えられますが、
例えば娯楽や旅行などのレジャー関係の仕事を、海外に展開することはあるとしても、
その仕事を国内から海外に移転させてしまうことは、その国内での需要を取り込めなくなりますので、
そうしたことは起こりにくいと考えられます。
そういう意味では、その国の文化や風習、自然環境などを活かした観光業や娯楽産業は、
他の国に移転させることはないと考えられますので、そうした分野が活性化することが望まれます。
そのためには経済の枠組みの中で、競争の中から良質なものが生み出されることも必要ですが、
格差を是正することは一つの手法で、多くの人にお金のゆとりあれば、そのお金を使う動きが国内で生まれると考えられます。
そういえば経済の考え方に「有効需要」という考え方がありますが、
「有効需要」というのは単なる需要ではなく、実際にお金を支払う需要のことを意味していて、
欲しいと思うモノがあってもガマンすることがありますが、
それは「需要」ではありますが、お金を払わないので「有効需要」ではないことになります。
「有効需要」に至る(お金を払う)までには、
人それぞれの心の中にハードルがあるというイメージを私は持っていますが、
お金にゆとりがあれば心の中のハードルが下がって、お金を使いやすい気持ちになると考えられます。
(その他にも将来に対する不安から、ハードルが上がるという面はあるのかもしれませんが。)
またそのためには全体の労働時間を少なくして、余暇を楽しむ余裕を作り出すために、
生産性を高める動き効率をよくするための仕事を、日々の仕事の中で考える必要があると考えられます。
ただ格差を是正することについては、政治的な動きが必要となると考えられますが、
生産性を高めて仕事の効率性を高めることについては、
私たち一人一人が日々の仕事に真摯に向き合って、少しずつ改善していくしか方法はないと考えられます。
(追記:また仕事を生み出すことは実際に難しいことでもありますし、
余暇を楽しむだけではなく、私たちは自らの技術や知識面の向上を図る必要もあると思います。)
またグローバル化を進めると同時に、産業の空洞化が起こるとしても、
「その時点で」国内にゆとりのある人たちを生み出し、そのことにより国内の需要を生み出すことは、
国内の産業の空洞化による雇用対策の一つの手段だと考えられますので、
合意が得られる適切な範囲で格差を是正することから、
多くの人たちに経済的な余裕を作り出すことが必要なのかもしれません。
また競争が高まると、仕事を変える必要がある人が出てくるとは思いますが、
時間的なゆとりを作ることで、良質なサービスを提供できるようにすることや、
良い製品やサービスが生み出されるような競争が高まることも必要なのかもしれません。
終わりに
グローバル化は、経済がこれだけ発達してきた中では避けられないことのように思えます。
ただ基本的に資本主義は何もしなければ、格差が大きくなりやすいと考えられ、
そのために過去には社会主義の思想が生み出されたことがあります。
社会主義の失敗により、資本主義の優位が揺るがなくなったとしても、
まだまだ資本主義には改善の余地があるものだと考えられます。
またグローバル化により、移動や情報収集が便利になったり、
安いモノが手に入りやすくなるという利点はあると考えられますが、
世界的な人と人との接触には、文化的にも宗教的にも、お互いの理解が求められると考えられますので、
インターネットで情報収集が行いやすくなってきた現在、世界の人たちと相互理解を深めるために、
私たちは知識を得ることが必要になると考えられます。
また国と国との間では、自分たちの権利を声高に主張する場面が多い中、
比較優位という原理で経済の分野だけ、あまりにグローバル化を推し進めることには弊害があるとも考えられます。
比較優位の原理の問題点について書いた記事は、こちらになります。
→グローバル化に影響を与える、比較優位という原理とその問題点
グローバル化にも保護主義にも偏ることなく、また資本主義の問題点にも目を向けつつ、
現在の問題を解決するアイデアを考えることが現在の私たちに必要なことだと考えられます。
それは現在の私たちにしかできないことだからこそ、私はそう考えています。
(追記:その後、差別について考えてみました。
グローバルに活躍する企業では様々な国籍の人たちに物を売るのであれば、差別をしない方が望ましいと言えますし、
またグローバル企業では様々な国籍の人たちと一緒に仕事をするのであれば、
グローバルに活躍する企業の上の立場の人たちも、差別をしない方が望ましいと言えます。
これは一つの可能性にすぎませんが、グローバル化が広がることによって、
もしも差別をしない方が上の立場に立ちやすいという価値観が広がることがあるのなら、
それはグローバル化の一つの良い面と言えるのかもしれません。)