最近では物価が少しずつ上昇している印象もありますし、
就職活動でも、就職する人にとって有利な売り手市場と言われています。
ただ日本は長い間、デフレに悩まされてきました。
デフレとは一体、何なのでしょうか。
またデフレになった要因はどこにあったのでしょうか。
ここではデフレやその反対のインフレ、またスタグフレーションについて見ていきたいと思います。
目次(複数ページに分かれた記事もあります)
インフレやデフレの意味
(出典「photoAC」)
モノの値段は、需要(欲しいと思う人の数)と供給(売られているモノの量)によって決まることは、ご存知の方も多いと思います。
例えばダイヤモンドは、売られている量が少なく、欲しいと思う人が多いので、
ダイヤモンドの値段は高くなりますし、
逆にありふれたモノや手に入れやすいものは、値段が安くなります。
インフレやデフレの場合には、一つのモノの値段だけではなく、
「全体の物価」が高いのか低いのか、それを表したものがインフレやデフレで、
インフレは全体の物価が高くなっていることを、
デフレは全体の物価が安くなっていることを、それぞれ表しています。
インフレやデフレが起こる原因
供給不足や供給過剰による物価への影響
インフレやデフレになる原因はいくつかあり、
全体的なモノの生産量が多いか少ないか、それもインフレやデフレになる原因になります。
全体的に生産されるモノの量が少なければ、
それだけモノの価値(値段)が上がりますので、インフレになりますし、
全体的に生産されるモノの量が多ければ、
それだけモノの価値(値段)が下がりますので、デフレになります。
ですので、戦争や大きな災害が起こり、工場などが稼働できなくなれば、
それだけ生産量が減り「供給不足」になってしまいますので、インフレになりますし、
工場での生産量が増えすぎてしまったり人口が減ると、モノが増えすぎてしまい、
いわゆる「供給過剰」という状態になり、デフレになります。
流通しているお金の量と物価との関係
(出典「photoAC」)
インフレやデフレは、流通しているお金の量とも関係があります。
需要と供給の関係で、モノの値段が決まるように、
お金をモノとして考えれば、欲しいと思う人(人口)が一定なら、
お金が増えて手に入りやすくなれば、お金の価値が下がりますし、
お金が減って手に入りにくくなれば、お金の価値は上がることになります。
またお金はモノとの交換手段ですので、
お金の価値が下がると、モノの価値(値段)が全体的に上がりますので、インフレになりますし、
お金の価値が上がれば、モノの価値(値段)が全体的に下がりますので、デフレになります。
為替相場による物価への影響
また為替相場も、モノの値段に影響を及ぼしますが、それは「輸入品」に限られます。
全く輸入に頼らずに、自分の国で経済活動がまかなえていれば、
為替相場が物価に及ぼす影響はなくなりますが、現在ではそうした国はあまりないと思いますし、
日本の場合には、食料自給率も40%程度ですし、
石油などの資源も輸入に頼っていますので、為替相場が物価に影響してくることになります。
円高になれば、海外のモノを買いやすくなり、
円安になれば、日本のモノを売りやすくなることは、
為替相場に関する記事にも書いたことになります。
→円高になると企業が海外へ移転する理由 為替相場の考え方とその影響
この円高・円安と物価の関係としては、
円高になれば「円高還元セール」と銘(めい)打って、モノが安い値段で売られているように、
円高になると、輸入品の値段が下がりやすくなりますし、
逆に円安になれば、輸入品の値段が上がりやすくなります。
特に日本の場合には、石油を輸入に頼っていますので、
石油を元にした製品の値段やガソリン代などが、為替相場の影響を受けることになります。
また石油は火力発電などで使用されていますので、
電気代にも関係してきますし、ガソリン代はモノの輸送代にも結びついてきますので、
石油の値段は、物価に与える影響が大きくなります。
日本の場合には、円安になれば石油が高くなりますので、
全体的なモノの値段が高くなりやすくなります。