現在はアベノミクスで量的な金融緩和が行われていて、
日銀が年間約80兆円という金額の国債を購入しています。
このことで長期金利が影響を受けますし、為替相場にも影響が出てきます。
ここでは国債の売買と長期金利の関係を見ていくと共に、
長期金利が為替相場に与える影響を見ていきます。
目次(複数ページに分かれた記事もあります)
長期金利と国債の関係とは?値段が変わる国債
(出典「photoAC」)
ここでは国が借金した時に発行される国債が
買われた場合、売られた場合に、何がどう変動するのかを見ていきたいと思います。
株は株式市場で売買されていますが、国が借金する時に発行する国債は
「債券市場」で売買されています。
「債券」というのは、決められた期日までに利息と元本を返済するもので、
お金を借りた時の借用証書のようなもので、
企業が資金を調達するために「社債」という債券を発行することもあります。
国債や社債は債券(借用証書)ですので、
株とは違って社債を買ってくれた人に対しては、利息や元本を期日までに払う必要があり、
この債券を取り扱う「債券市場」で国債も取り扱われています。
一方の株の場合は、企業の利益が上がらなければ配当を払う必要もありませんし、元本を返済する必要もありません。
また株と同じように、国債は買い手が多い時には値段が上がり、買い手が少なくなると値段が下がる、
という動きをするのですが、
それと同時に変動するものがあり「長期金利」も変動します。
長期金利とは何か?
2016年には、長期金利がマイナスを記録したことがあります。
長期金利というのは、1年以上の資金の貸し借りする場合の金利を意味していますが、
新しく発行される「10年物国債」の利回りが金融関係者の長期金利の判断や目安になっていますので、
「新規に発行される10年物国債の利回り」が長期金利と言われることもあります。
「10年物国債」というのは、10年で返済期限を迎える国債のことを意味しています。
国債の値動きと長期金利の関係
(出典「photoAC」)
国債は売買によって値段が上下しますが、そのことが長期金利にも影響を及ぼします。
例えばここに、1万円の額面金額の国債があって、毎年2%の利息がつくものとします。
そしてこの国債の返済期限は10年だとします。
この国債を普通に売り出された時に1万円で買ったとすると、
毎年1万円×2%=200円の利息がつきますので、
10年間では200円×10=2,000円…①の利息を受け取ることができます。
最終的に1万円も戻ってきますので、この国債の利回りは、
2,000円÷10,000円÷10年×100=2%の利回りになります。