日本は1980年代後半に、バブル景気を経験しましたが、
バブルとはそもそも一体何なのでしょうか?
またバブル景気はどのように起こり、
どのようにはじけるのでしょうか?
ここではバブルについて、見ていきたいと思います。
目次(複数ページに分かれた記事もあります)
バブルとは バブルが発生する理由
(出典「photoAC」)
バブルというのは、「景気の過熱状態」をさし、
「必需品や自分で使うものではない、投機的な資産の値上がりが続くこと」で、バブルは発生します。
日本の場合には、土地神話があったことで、
土地の値上がりが続きましたし、株も値上がりが続きました。
土地や株の値段が上がる最初のうちは、バブルとは言えないとは思いますが、
土地や株で儲かることが分かり、多くの人が土地やバブルで儲けることを考え、
それが余計に土地や株の値段を上げ、さらに土地や株を買おうとする人が増え、
多くの人がその値段が上がると信じるようになった状態が、バブルと言えると考えられます。
生活必需品と株や土地などの違い
例えばこれが生活必需品など、買った人が消費する商品であれば、
モノが高くなれば、買い手が少なくなるという、いわゆる「市場の原理」が働きますが、
バブルの場合には、土地や株はそれが必要だから、自分が使うからという理由で買われるわけではなく、
お金儲けの手段、つまり投機対象として買われるものですので、
株などの値段が高くなり、今後も値段が上がると予想する人が多くなった場合には、
値段が高くても買う人が現れてきて、それがまた株などの値段を上げるという状況を生み出します。
バブルはこうした投機的な商品から始まります。
バブルは好景気か?
(出典「photoAC」)
バブルは景気が良いように見えます。
確かに株や土地などで、お金を稼ぎやすく使いやすいですので、
お金の流れが良いという意味では、景気が良い状態なのは確かだと思います。
ただバブル景気の時には、新しい商品が開発されたり、新たなサービスが生み出されたりして、
多くの人たちの生活水準が向上するわけではありません。
また日本でバブルが起きた時には、本業をおろそかにして株や土地を売買する、
いわゆる財テクに走った企業も多く、
バブルが崩壊した時には、経営状態が悪くなって倒産した企業が続出してしまいました。
つまり本業での利益が上がって、景気が良くなっていたわけではありません。
またバブルの時には、周りの人が稼いでいるからと周囲の人と比較すると、
どうしても株や土地を買ってしまうことがあると思いますし、
それはバブルを経験していない人でも変わらないと思いますが、
その間に本業がおろそかになることが、バブルの大きな問題で、
株や土地などで稼ぐことに力を入れて、技術開発や商品開発が停滞し、
土地神話があったために、金融機関も安易にお金を貸し出していたことで、
その後に不良債権の山を作り、その処理に追われることになりました。
そういう意味ではバブルは、お金の流れが良いという意味では好景気なのは確かですが、
足元の本業をおろそかにした好景気であれば、
その名の通り「泡」のように、いつか消えてしまう好景気と言えるように思います。
景気の良し悪し自体は、海の波のように良い時と悪い時が交互に訪れるものだとは思います。
また景気を良くしようと思えば、それは本業の努力が実を結ぶことで成り立つもので、
本来は地道な努力を積み重ねた上で、好景気は引き寄せることができるものだと思います。