私たちは日々の生活の中で、何気なくお金を使っていますし、
生きていくためにお金を稼ぐ必要があることは分かりますが、
お金とは、そもそも何なのでしょうか。
またお金には、どういった性質が求められるのでしょうか。
ここではお金の本来の役割や、
お金に要求されることや特徴を見ていきたいと思います。
目次(複数ページに分かれた記事もあります)
お金とは何か お金の本来の役割
(出典「イラストAC」)
お金は、基本的には交換するための手段です。
お金が物々交換を便利にするための手段として、
作り出されたものであることは、ご存知だと思うのですが、
モノとモノを交換する場合には、お互いにモノを持ち寄る必要があります。
ただ自分が作ったモノを何かと交換したいと考えた場合に、
どこで出会うか分からない人を探し回るよりも、
自分が作ったものを何かと交換したいと考える人が、集まる場所を決めておいた方が良い。
そうして昔から市場のような一定の場所で、モノを持ち寄って交換していたと考えられます。
ただいつも市場に行った時に、欲しいと思うモノがあったとは限らなかったのかもしれませんし、
また欲しいモノがあったとしても、自分が持ってきたモノでは相手が納得してくれない、
そんな場面があったと想像できます。
そんな不都合な場面を経験していくうちに、
誰かが「お金」という交換手段を考え出したのかもしれません。
そしてお金という価値を測るモノサシで、モノの値段を決めておけば、
その時に欲しいと思うモノがなければ、お金は使わずに貯めておくこともでき、
欲しいと思うモノがあった時にお金を使うことができます。
また欲しいモノを持っている人は、お金だったら他のモノとも交換できるので、
納得して受け取ってくれる。
そうして人の作ったモノとモノとの交換は、便利になっていったと考えられます。
お金は交換手段として作られましたが、そのことで人の生活は便利になったと考えられます。
お金は現在に至るまで、様々なものが使われていて、
昔の時代には、貝や布などがお金の役割を果たしていたことがありました。
「財」「貨」などの漢字には、貝の字が使われているのは、
貝がお金として使われていた名残だと言われています。
また小判など金や銀という貴金属が使われるようになり、
紙幣が誕生し、現在ではネット上で使える通貨も誕生しています。
お金とは何か お金に要求されること
(出典「photoAC」)
お金は誰でもどこでも、すぐに手に入れられるものでは意味がありませんので、
簡単には手に入れられないものであることが条件になります。
またお金とは信用されるものでなければならない、という側面があります。
現在の日本ではほとんど考えられませんが、
例えばニセ札が横行して、せっかく働いて手に入れたお金がニセ札で、
実際に使おうとしたら、使えなかった。
そんなことが頻繁に起これば、日本人は日本の円が信用できない、
つまり誰も持ちたがらないことになってしまいますし、
そうなれば日本人の多くは、円ではなくドルを持とうとするのかもしれません。
そうしたことは現在の日本では考えられませんが、
お金にはそれだけ信用されるものでなければならない、という側面があると考えられます。
金本位制、銀本位制
(出典「photoAC」)
お金に信用が必要ということを、ご理解していただくために、
ここで少し金本位制、銀本位制を見ていきたいと思います。
それは紙幣が誕生した時のことになりますが、その紙幣の信用を裏付けるために、
額面の金額と同じ値打ちのある、金や銀と交換できることが条件で発行されていました。
当初は紙幣は、昔の両替商、今で言えば民間の銀行が発行していましたので、
「金や銀の裏付け」という「信用」が必要だったことになります。
その後、国が紙幣を発行するようになった当初も、
その額面金額と同じ値打ちの金や銀と交換できることになっていて、
そうした過去の紙幣の発行の仕組みを「金本位制」、「銀本位制」と言います。